ぬるま湯につかる

地方都市に暮らす30代薄給会社員の株やら暮らしのちょっとした記録

オンネリとアンネリのおうちの記録

昨日、仕事帰りに「オンネリとアンネリのおうち」を観てきた。フライヤーが可愛かったので観たかった映画。モリサワのすずむしフォントが絶妙に効いていて素敵。

フィンランドの児童文学が原作なので、フィンランド語が耳に新しかった。Kiitosってフィンランド語だったことに気が付いた。

ストーリーは仲良しの「オンネリ」と「アンネリ」の女の子二人が、二人だけのお家で暮らすお話。正直、私の淀んだ心で観るにはツッコミどころ満載すぎて、これはまさかの夢オチなのではと最後まで疑ってしまったのだが、それ以上に世界観がよかった。

この世界観、かわいさの極限ではないだろうか。スクリーン一面が鮮やかでカラフルで。児童文学を映像化したらこうなるねという夢がぎゅっと詰まってる感じ。二人でお揃いの服を着たり、一緒のお部屋で眠ったり、家具も服も庭も、一つ一つがおしゃれ。あのくらいの年齢の女の子が憧れるかわいい要素がたくさん出てくる、まさに理想のおうち。

幼い頃に「大人になったら二人で一緒に暮らそうよ」なんて言い合った日々があったことを思い出した。お互いのお人形を交換して遊んだり、ヘアピンを交換して学校に行ったり。当時の私たちがこの映画を観たら絶対憧れる自信がある。現在はというと、お互いドライな大人に成長したため「一緒に住むのは気が疲れるから老後はほどよく近いところに住もう」と話すのだが。

あの頃の私も子どもなりに心にモヤモヤを抱えて過ごしていた気がする。大人になったら自由になれる、なんて思いながら過ごしていた。だからこそ、それぞれの家庭に事情を抱えながら二人だけのお家で楽しく過ごすオンネリとアンネリが微笑ましかった。

この映画を見ていて思ったのは、憎らしいほどの悪い奴は出てこないこと。拍子抜けしたほど平和な世界だった。いつ夢オチでしたと言われるのか心の奥底で期待した自分が薄汚れているわ。ひたすらに、可愛くて、キラキラで、優しい時間が流れていた。

 

そんな幸せな世界から現実に引き戻されたのは、今現在のアダストリアの株価である。なかなかの下げ幅。