神聖かまってちゃんの「23歳の夏休み」を聴いていたあの頃、23歳の夏なんてずっと先だと思っていた。その23歳も気がつけばあっという間に過ぎ、平成最後の夏が訪れた。
23歳の夏なんて遠い先のことだった高校時代、星の数ほどあるバンドの中からメジャーデビュー前の神聖かまってちゃんを探し当てた。相当病みワードを検索していたと推測できる。思い返せば青春なんて輝かしいものはなく、人生で一番退屈な3年間であった。どうにか自分を保っていたのは音楽があったからだ。なかなかにありふれた話である。
神聖かまってちゃん、嘘つきバービー、毛皮のマリーズ、銀杏BOYZ、ゆらゆら帝国、モーモールルギャバン、相対性理論、その他もろもろを聴き漁り、ブレることなくサブカル街道を突き進んだ(もちろんBUMP OF CHICKENもRADWIMPSも通った)。
そしてサブカルかぶれ女子高生時代から約10年が過ぎた。相変わらず邦ロックを聴き続けている。今やサブカルにかぶれたアラサーだ。そんな今年の夏はビレッジマンズストアのライブに行ってきた。きっと数年後に、平成最後の夏はビレッジマンズストアのライブに初めて行った年だったと思い出す日がくるのだと思う。
というわけで最初に神聖かまってちゃんを登場させておきながら、かまってちゃんのライブではないのが大変悔やまれるが、ここからはビレッジマンズストアについての記録である。
本物はやはりよかった。音も歌も全部がかっこいい。ビレッジマンズストアを知ったきっかけの曲「WENDY」、そのほか「PINK」「逃げてくあの娘にゃ聴こえない」「帰れないふたり」などなど。今でも余韻に浸れるほどだ。どうでもいいが観客にeverybodyとか言うさまが、あんなにもクールで板についた日本人は水野ギイさんしかいないのではないかと思った。
彼らを聴き始めた入り口はまず、その見た目だ。私のようなサブカルクソ女にありがちな話である。「WENDY」のPVを見て知ったのが1年ほど前の昼休みのこと。つまらない話を大声で話し続ける、不快極まりないおっさん(失礼)の耳障りな声をどうにか遮断しようとイヤホンをし、You Tubeでバンド漁りをしていたら出会った。
ロン毛のボーカル、まさしく想像に容易いバンドマン像。かっこよさ2割り増し。そして、あんなにも赤いスーツを優雅に着こなす大人達を見たことがあるだろうか。いや、ない(断言)。
少し歌謡曲のようなレトロな世界観もいい。少しだけ毛皮のマリーズを思い出す(色々聴き続けると全くの別物ですわよ)。
血やら地獄やらが出てくる歌詞には正直クサすぎて恥ずかしくなってしまう時があるのだが、疾走感ある演奏と個性的な声、最高である。ビレッジマンズストアはちょっと古めかしく、ロックンロールという言葉が似合う素敵なバンドなのだ。以上個人の見解。